誤解の元になった体重曲線 (by カナグル)
SGLT2阻害剤では、体重が減る!、と一般の糖尿病専門医ではない、「非専門医がみて、誤解のもとになった図」を、示します。
引用文献は図の下に記載しておきました。

この図だけみると、カナグルは、体重を−5kg、落とすと思い込みがちです。
しかも、右に示すように、Fat mass 、つまり、脂肪を落とすということが証明されています。
SGLT2阻害剤の中では、カナグルが、最もSGLT2阻害剤の選択性が低いために、GLP1濃度を上げるとされ、それが、体重減少に寄与することを、証明した論文でした。
ただし、これは、あくまで糖尿病患者で、高血糖を改善する時だけに、起こる現象なのです。
血液中のブドウ糖が尿中に排泄され、それによって、エネルギーバランスが負になり、脂肪分解が起こります。
だから、「痩せる」わけなのです。
そして、こういう現象が起こる時には、血糖は低下します。HbA1cで現すと、

このように、HbA1cが、−0.8%低下した時に、「痩せる」という現象が起こるわけです。
ところが、健常人で、肥満だけある場合には、HbA1cはさがりません。だから、痩せません。
逆に、常にエネルギーが負の状態であることと、やや脱水傾向が重なることで、喉が渇き、お酒を飲みやすくなり、血糖コントロールを悪化させる場合も、あります。
SGLT2阻害剤で、とんでもない「肥満を作ってしまう」事すら、あります。
こういう「糖の流れ」、「脂肪分解のメカニズム」を理解していない医師は、
先の図だけをみて、「カナグルは、痩せ薬」と思い込んでいるようです。
こういう「誤解の元」になった図表をしっかりと公開し、今後は、糖尿病非専門医には、SGLT2阻害剤の処方については慎重に行っていただきたいと、そう思います。
もし、「カナグル」を処方されて、「痩せるよ」と薦める医師がいたとしたら、この上のグラフを見せて、「先生、無知ですね。」と言ってもよいのではないか、と思います。
数万円の出費をして、SGLT2阻害剤を痩せ薬と思い込まされた被害者の方々には、こういう情報が、しっかりと世間に公開されていなかったことが、「悪」だったと思われかねません。ですから、正しい利用法を促し、正当派の医療を普及させていくためにも、あえて、「誤解の元になった図」という「オリジナルの体重曲線」を、お示ししておきたい、そう考えました。
私たちはGLP1ダイエット注射サクセンダを取り扱っているクリニックです。GLP1ダイエットは、食欲を抑え、安全に太りにくい体質へと変えていきます。無理のない体重の減少を実感していただくために情報発信していきます。