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お知らせ

第10章:サクセンダ・ダイエットでよくある質問

2023年07月28日
私たちはGLP1ダイエット注射サクセンダを取り扱っているクリニックです。GLP1ダイエットは、食欲を抑え、安全に太りにくい体質へと変えていきます。無理のない体重の減少を実感していただくために情報発信していきます。
Q1. 0.6mgずつ打っているのに痩せないのですが?

A1.サクセンダやビクトーザ、つまり一般名リラグルチドを0.6mgで体重が減少するという科学根拠はありません。食欲が普通にあるのも、当然です。サクセンダ1.8mgから2.4mgくらいの間で、約9割の参加者の皆さんが体重減少を体験されておられます。(当院でのアンケート調査の結果では)

もし、リラグルチド0.6mgで体重が減少するというコミットがあったとしたら、それは科学的根拠がないと言わざるを得ません。0.6mgであれば投与初期だけにおいて、少し食欲が低下するくらいの程度でしょう。原著の医学雑誌、N Engl J Medにあるサクセンダ・ダイエットでは、あくまでサクセンダ3.0mgを注射することで、約9割の対象者の体重が減ることが示されています。

もし今、0.6mgでも痩せられると言われたのであれば、それは科学的根拠が皆無の医療サービスだとお考えください。

 

Q2. サクセンダ・ダイエットで効果が出やすいタイプは?

A3. 効果が出やすい人の特徴は、すぐにお腹が空いてしまう人、おやつなどの間食が多い人、つい食べすぎてしまう人です。

サクセンダ・ダイエットは本来、胃の排出速度を遅くする作用を利用して満腹感を感じるダイエットです。ですので胃の排出速度の速い人(お腹がすぐに空いてしまう人)ほどダイエット効果を示しやすいという理屈になります。

 

食べても食べても満腹感を感じない、周りの人と同じ物を食べても、自分だけすぐに空腹感を感じるという人は、GLP1による食欲抑制効果がうまく機能する可能性があります。上記のような自覚がある方は、早めにクリニックで相談してみましょう。

そして、日本で初めて2型糖尿病患者に、そうした傾向があることを発見し証明したのは筆者です。日本糖尿病学会の公式雑誌:雑誌「糖尿病」に記載し報告しました。

(参考:論文) 鈴木吉彦、松岡健平。糖尿病性胃症に及ぼす糖尿病性神経障害と血糖コントロールの影響。 糖尿病、33 :635頁- 640頁( 1990年)

 

Q3. サクセンダ・ダイエットで効果が出にくいタイプは?

A4. 満腹感を長続きさせて摂取カロリーを減らす事がサクセンダ・ダイエットの本質ですから、元々過食傾向ではない人にとっては、効果が薄いかもしれません。

例えば、間食をほとんどしない人や元々、痩せている人は効果が少ないかもしれません。つまり、普段から食事制限をしっかりしていて間食はほとんどしないという人は効果が薄いと思われます。元から痩せている方も大きな痩身効果は望めないかもしれません。

 

Q4. サクセンダ・ダイエットで低血糖になりますか?

A5. GLP1製剤は低血糖になるので非常に危険という人がいますが、それは間違いです。バイエッタというGLP1製剤のみが低血糖を起こし得ますが、他のGLP1製剤は単独で使用する場合においては、低血糖とは、ほぼ無縁です。

 

  サクセンダはインスリン製剤とは違い、血糖値が低くなれば作用しにくくなる効果があります。これを専門用語で「血糖応答性」と呼びます。ですから、単独で投与する場合、低血糖のリスクは極めて稀なのです。「考えすぎ」と言っても過言ではありません。

 ただし、糖尿病患者さんの治療では別の話です。糖尿病治療で、SU剤やインスリン製剤の治療を行っている場合は注意が必要です。糖尿病専門医の指導に従ってください。

 

Q5. サプリメントは必要ですか?

A6. 1日の摂取エネルギー量が1200kcal 以下になるまではビタミン剤、サプリメントは不要です。しかしサクセンダ2.4mgあるいは3.0mgになると、さらに食欲が低下し、1日のカロリー摂取量が1200キロカロリー以下になってしまっていることに不安を覚えている方も少なくはないかもしれません。

例えば、1日800キロカロリーしか食べられない、そういう状態になった場合に総合ビタミン薬を薬局で購入したり、野菜やミネラルをとってビタミン補充をお奨めするのは合理的だと考えます。逆に、そこまで摂取カロリーが低下していない時に、あえて、ビタミン、サプリメントなどをとる必要性はないでしょう。

Q6.カナグルやフォシーガなどは有効ですか?

A7.カナグルやフォシーガなどはS G L T2阻害剤といいます。もしこの製剤が、ダイエットに有効だとP Rしている医師がいたら、それは虚偽の効能を発表している医師です。S G L T2阻害剤を服用して体重が減るのは、HbA1cが7%以上の高血糖をもつ糖尿病患者さんに限定されるからです。

 

正常血糖値である健康成人が、これらの薬に手を出すと、−400Kcalのエネルギーが尿に排泄される反動で強烈に腹が空いてきます。とても耐えられない程度の空腹感に襲われ、「代償的過食」という状態に陥ります。結局は過食傾向になり、ドカ食いをするようになり体重は増えます。健康成人に対しては、カナグルやフォシーガは「太り薬」であると指導しています。健常人が服用しては絶対に駄目です。

 

ただし、心不全を持ち体内に水分が貯留して体重が重い状態に水分を排出し、心不全を治す目的での治療は保険診療でも許可されています。水分が抜けて体重が減ることと、脂肪が減って体重が減ることを一緒にして考えてはいけません。水が抜けて体重が減っている場合をSGLT2阻害剤が改善したとしても、それは痩せたことにはなりません。

Q7. 寝る前にお腹がすいてしまうのですが…

A8. 「夜、おなかがすいて眠れなくて食べてしまう。」という人は多いものです。就寝前に満腹だと、安心して眠れるというのはわかります。ですが、それを継続してしまうと体重は減りません。解決策としては、サクセンダを夕食前に注射する方法があります。そうすれば、夜食や就寝前の間食を減らすことができます。サクセンダ3.0mgであれば1日の中でいつ注射しても良いので、それでも夕方に注射すれば、なおさら強力に就寝前の食欲を落とす事でしょう。

 

個人差が多いので、実際には医師と受診者が、face to face で話をし、try and error で試すことが普通です。ぜひ診察時にご相談ください。