私たちはGLP1ダイエット注射サクセンダを取り扱っているクリニックです。GLP1ダイエットは、食欲を抑え、安全に太りにくい体質へと変えていきます。無理のない体重の減少を実感していただくために情報発信していきます。
糖尿病があると痩せにくい
GLP1治療は本来、糖尿病治療の薬剤です。ですから、糖尿病において、血糖コントロールに寄与するだけでなく、糖尿病においても体重減少をもたらし、それによって糖尿病の合併症を取り除くというのは、糖尿病専門医なら、誰もが望む治療になるわけです。
そのGLP1治療の本来の姿を、検討した研究がThe SCALE Diabetes スタディと呼びます。
Efficasy of Liraglutide for weight Loss among patients with type 2 diabetes
The SCALE diabetes randomized clinical trial
JAMA 2015: 314(‘): 687-699
ビクトーザを2型糖尿病にもちいて、体重減少効果を観察した研究です。
いわゆるRCTと呼ばれる大規模臨床研究で9カ国、126の医療施設で行われ、2011年から2013年にかけて始まり、論文としては、2015年に発表されています。
1361名の参加者を募り、BMIが27以上の対象者は846名でした。18歳以上が条件で、糖尿病薬は、ゼロから3剤までが許容されています。メトフォルミン、チアゾリジン系薬剤、そして、SU剤も、この中に含まれています。HbA1cは7から10%の間でした。
リラグリチド3mg群は、423名。リラグリチド1.8mg群は211名。プラセボ群は212名に割り付けられました。そして、全員に、1日、500キロカロリーの食事制限をすることと、身体的活動を1週間に150分以上行うことが勧められました。
その結果
BaseLine
リラグリチド3mg群・体重は105.7kg
リラグリチド1.8群は、体重106.5kg
プラセボ群は体重106.5kg
体重減少率は
リラグリチド3mg群では、6% (6.4kg)
リラグリチド1.8mg群では、4.7%(5.0kg)
プラセボ群では、2.0%(2.2kg)
5%以上の体重減少に成功した割合は
リラグリチド3mg群では、54.3%
リラグリチド1.8mg群では、40.4%
プラセボ群では、21.4%
10%以上の体重減少に成功した割合は
リラグリチド3mg群では、25.2%
リラグリチド1.8mg群では15.9%
プラセボ群では6.7%
消化器症状が多かったのは、リラグリチド3.0mg、1.8mg供にでした。膵炎の発症はありませんでした。
56週間、つまり、約1年において、リラグリチド、1.8mgまでなら商品名ビクトーザ、3.0mgまでなら商品名サクセンダ、を投与すると、これだけの体重減少効果が期待できます。糖尿病でない場合と比較すると、成績は悪いのですが、それはしかたありません。血糖コントロールが改善すると体重が増える場合があるからです。
いずれにせよ、肥満治療は「内科」の分野、特に糖尿病専門医の分野になったのは間違いありません。
なお、糖尿病がない場合での、サクセンダ3.0mgで、5%以上の体重減少に成功する割合は90%以上です。糖尿病があると、それが、54.3%にまで減るわけですから、糖尿病があるほど、体重は減りにくいという事になります。