よくあるご質問
こちらでは、GLP1に関するご質問や肥満、副作用や効果に関するご質問にお答えしております。
GLP1について
- GLP1ダイエットのトレーニングは事前に必要でしょうか?
- 特別なトレーニングは必要ありません。もっとも、注射の⽅法は、理解しておく必要があります。注射の⽅法については、来院⼜はオンライン診療の際に、看護師が詳しく指導させていただきます。
- GLP1製剤は⾷欲や⾷事の摂取量にどのような効果がありますか?
- GLP1製剤は、脳の⾷欲中枢に直接作⽤して⾷欲を抑制し、⼀⽅でさらに胃の排泄運動を遅くして胃もたれのように感じられることで⾷事を⾷べたくない気持ちにさせ、脳と胃の両⽅からの作⽤で⾷事の摂取量を減らすことができると⾔われています。糖尿病の治療薬として、世界中で広く処⽅されてきた薬であり、安全性も担保されている薬剤です。
- 糖尿病治療⽤GLP1製剤とサクセンダとの肥満治療における違いは?
- 糖尿病治療⽤GLP1製剤は、⽇本においても2型糖尿病の治療薬として承認を受けております。成分はリラグルチドで同じですが、⽤途(⽬的とする疾患)が異なります。サクセンダは肥満症に対し、アメリカ⾷品医薬局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)、韓国⾷品医薬品安全処(MFDS)の承認を取得しています(⽇本では未承認です)。
- GLP1タキフィラキシーとは何のことですか?
- 製剤を服⽤した際の副作⽤などが時間と共に軽減してくる現象を「タキフィラキシー」と呼びます。糖尿病治療⽤GLP1製剤の場合、タキフィラキシーが起きて、同じ投与量でも次第に悪⼼などの症状は消えていきます。
- GLP1ダイエット治療を途中で⽌める基準はありますか?
- GLP1注射製剤を少なくとも16週間使⽤して、4%の体重減少が認められなければ、中⽌をお勧めします。それ以上の体重減少は期待にしにくいからです。詳しくは医師にご相談ください。
- GLP1ダイエット治療ではどんな効果が期待できますか?
- 体重減少、2型糖尿病の発症予防、睡眠時無呼吸症候群のAHI(apnoea-hypopnea events per hour of sleep)スコアが低下する、と⾔われています。
- GLP1ダイエットでは、どの程度の体重減少が期待できますか?
- 海外におけるデータですが、原著では、5%:63.2% 10%:33.1% 15%以上:14.4%と⾔われています。つまり5%の減量に成功する⼈は3⼈に2⼈くらいです。
- 何ヶ⽉くらいGLP1ダイエット治療をすると、リバウンドしにくくなるでしょうか?
- 4ヶ⽉から6ヶ⽉を⽬処にし、体重が減少した場合、リバウンドしにくくなると考えられます。⾷欲中枢に対するフィードバック機能が、正常に復活するには4ヶ⽉以上は必要だとされていますが、個⼈差は⼤きいです。
【注意】
たった⼀回だけGLP1注射製剤を投与しただけで、効かないと思わないでください。連⽇投薬することで、⾷欲中枢が刺激され、1週間を⽬安にプラトー(最⾼の安定期)になるので、その段階で投与量を増やしていきます。1⽇量3mgまで投与するという原則で、体重100kgの欧⽶⼈のデータで9割以上の確率で、減量ができるといわれています。体重100kgにも満たない⽇本⼈であれば、より数ない量で、より⾼確率での体重減少が得られることは容易に推測できます。
副作⽤について
- 副作⽤として知られているものは、どんな症状がありますか?
- 4ヶ⽉から6ヶ⽉を⽬処にし、体重が減少した場合、リバウンドしにくくなると考えられます。⾷欲中枢に対するフィードバック機能が、正常に復活するには4ヶ⽉以上は必要だとされていますが、個⼈差は⼤きいです。
海外で承認された時に、頻度2%以上だった副作⽤⼀覧は以下の通りです。
プラセボ群(%)n=1941 | サクセンダ(%)n=3384 | |
悪⼼ | 13.8 | 39.3 |
下痢 | 9.9 | 20.9 |
便秘 | 8,5 | 19.4 |
嘔吐 | 3.9 | 15.7 |
消化不良 | 2.7 | 9.6 |
腹痛 | 3.1 | 5.4 |
上腹部痛 | 2.7 | 5.1 |
逆流性⾷道炎 | 1.7 | 4.7 |
腹部膨満 | 3 | 4.5 |
ゲップ | 0.2 | 4.5 |
⿎腸(ガスが溜まる) | 2.5 | 4 |
ドライマウス | 1 | 2.3 |
頭痛 | 12.6 | 13.6 |
めまい | 5 | 6.9 |
疲労感 | 4.6 | 7.5 |
注射部位の反応 | 0.6 | 2.5 |
無⼒症 | 0.8 | 2.1 |
胃腸炎 | 3.2 | 4.7 |
http://www.novo-pi.com/saxenda.pdfより
- 通常、最も深刻な副作⽤は何でしょうか?
- 胃腸障害です。⾷欲を低下させるだけでなく、胃の排泄を抑制しますから、例えば、胃酸で分解しにくい脂の多い⾷材を⾷べると悪⼼が起きやすくなります。なお、糖尿病でなければ低⾎糖は起きないと⾔われています。
- 悪⼼・嘔吐が起こるのは、どのくらいの割合ですか?
- 悪⼼は36.3%に起こると⾔われています。なお、プラセボ群でも約14%が、悪⼼で脱落しています。
しかし、悪⼼・嘔吐は、治療開始後、4〜8週間以内に起こり、そこを乗り越えれば、症状は軽減すると⾔われています。 - 体重が減ると胆⽯や膵炎になりやすいのでしょうか?
- 急激に体重が減ると胆⽯になりやすい傾向が認められます。胆⽯が膵管まで落ちてきて、膵炎を起こすことは容易に想像できます。
- 胆嚢炎の可能性は、どのくらいの頻度ですか?
- 本肥満治療では、0.8%です。これに対して、プラセボ群では、0.4%です。差は0.4%ということになります。
- ⼼拍数は増えますか?
- 増えます。しかし健康な⽅にとっては問題がない程度のわずかな増加です。(1分間に2〜3拍程度)臨床的には問題のある増加とは考えられません。ただし、これはあくまで平均で個⼈差はあります。1分間に100拍を超えるのは海外データでは肥満治療群で0.9%、プラセボ群では0.4%程度ですが、ご⼼配な場合は循環器を専⾨とする医師にご相談ください。
- ⼼拍数が増えたらどうしたら良いでしょうか?
- 循環器を専⾨とする医師にご相談ください。
糖尿病との関連について
- 糖尿病ですが、GLP1ダイエット治療を⾏ってもいいですか?
- 糖尿病で治療を受けている場合には低⾎糖を起こす可能性があります。 必ず、医師にご相談ください。
- 糖尿病で他のGLP1受容体作動薬を使っていますが、併⽤しても⼤丈夫ですか?
- 注意が必要な場合があります。医師にご相談ください。
- 糖尿病予備軍の⼈がこの治療を⾏うと、糖尿病になる確率はどのくらい減りますか?
- 糖尿病予備軍の肥満者が、GLP1ダイエット治療を⾏うと、2%の⼈しか糖尿病を発症しなかったのに対し、糖尿病予備軍の⼈が本治療をしないと、6%の⼈が糖尿病を発症したというデータがあります。
肥満について
- どのような状態を肥満というのですか?
- 脂肪組織に中性脂肪が過剰に蓄積された状態のことで、すぐに病気に分類されるわけではありません。
- 肥満診断基準は?
- BMI(Body Mass Index)が25以上が⽇本では肥満と定義されています。BMI35以上は⾼度肥満となります。
- 肥満症とはどのような状態ですか?
- 肥満に関連する健康障害を合併、もしくは合併が予測される場合で、医学的に減量が必要な病態とのことです。
- 肥満症の判断基準は?
- 以下のいずれかを満たす場合に診断されます。
1.以下に述べる11個の肥満に関連する疾患のうち、1つ以上の健康障害を有する場合。
①耐糖能障害②脂質異常症③⾼⾎圧④⾼尿酸⾎症・痛⾵⑤冠動脈疾患⑥脳梗塞⑦脂肪肝⑧⽉経異常及び妊娠合併症⑨睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群⑩整形外科疾患⑪肥満関連腎臓病
2.ウエスト周囲⻑が男性で85cm以上、⼥性で90cm以上と内臓脂肪型肥満の疑いがあり、腹部CTで内臓脂肪⾯積が100平⽅cm以上の内臓脂肪型肥満と確定された場合。 - 肥満があると、どのような病気を起こしやすいでしょうか?
- 2型糖尿病、脂肪肝、⾼⾎圧、胆⽯、逆流性⾷道炎、精神的および⼼理的障害などが起こりやすくなります。
- 肥満を改善するために、基本的にこれまで必要とされてきた要素は何でしょうか?
- 活動量を増やす、動かないという習慣を改善する、⼀回の⾷事量を減らす、間⾷を⾒直す、⾷事の嗜好を変えることなどが基本的な要素です。
肥満との関連性について
- 肥満と睡眠時間との関連性はありますか?
- あります。短時間の睡眠時間は、体重増加と関連があると⾔われています。睡眠不⾜による空腹感の増強、摂⾷回数の増加による摂取エネルギーの増加、体温調節の変化、疲労感増加によるエネルギー消費減少を介するメカニズムが考えられています。
- タバコと肥満は関連していますか?
- 喫煙者は⾮喫煙者よりも痩せていることが多いですが、重度の喫煙者は⾮喫煙者より肥満度は⾼く、ウエスト周囲⻑も優位に⼤きいことが観察されています。
- ストレスと肥満の関連はありますか?
- ストレスの指標の可能性がある、起床後1時間の唾液中コルチゾール濃度が⾼い肥満者ど、体重減少しにくく、⼥性は男性に対し、慢性ストレス下で過⾷に陥りやすいという結果もあります。
- 性ホルモンと体脂肪の関連性はありますか?
- ⼥性と⽐べ、エストロゲンが少ない男性や、閉経後エストロゲンが低下した⼥性では、閉経前⼥性に⽐べ腹部や内臓脂肪量が増加しやすい傾向があります。また男性では、加齢に伴うアンドロゲンの低下が総脂肪量や腹部脂肪量の増加をきたし、テストステロンの投与によりこれら脂肪蓄積が抑制されたことが報告されています。
- 肥満症と精神疾患との関連はどのようなものがありますか?
- 気分障害、不安障害、摂⾷障害の⼀つでもあるむちゃ⾷い障害が⼀般⼈よりも⾼度に認められることが報告されています。
- 肥満に関係した気管⽀喘息の特徴はなんですか?
- 肥満は喘息の発症及び発症後増悪の危険因⼦であり、BMIが⾼いほど喘息発症のリスクが⾼くなります。⾼齢発症であり、⾮アレルギー性、⼥性が多いなどの特徴があります。
- 睡眠時無呼吸症候群の肥満患者の治療としては有効でしょうか?
- 有効です。32週間の治療にて肥満治療群では、5.7%の体重減少を認めたにもかかわらず、⾷事と運動療法だけの群では1.6%の体重減少しか認められませんでした。この差も、統計的に有意差があることがわかっています。
- 肥満と⽉経異常との関連はありますか?
- 体重は多すぎても少なすぎても、⽉経異常、不妊、妊娠、分娩異常の頻度が上昇することが知られています。
- 肥満により悪性疾患のリスクは上がりますか?
- 肥満による相対リスクの⼤きいがんとして、男性は⾷道がん(腺がん)、甲状腺、結腸、腎臓、⼥性では、⼦宮体部、胆嚢、⾷道(腺がん)などが挙げられます。
肥満治療について
- 肥満症の治療⽬標は?
- 減量によって肥満に伴う健康障害を解消あるいは軽減、予防することです。3ヶ⽉から6ヶ⽉で現在の体重から3%の減量を⽬標とします。また、合併症改善にはリバウンドを伴わない継続した減量が最も有効となります。
- 肥満に対する糖質制限は効果がありますか?
- 糖質摂取を制限することにより、短期間で体重減少や代謝状態の改善が認められるとする報告は多いです。しかし、⻑期的な減量効果や新⾎管リスク低減効果を確認した成績は乏しく、逆に10年以上の経過観察では糖質制限⾷が死亡を増加させるという報告もあります。現時点では、糖質制限を6ヶ⽉以上実施することの有⽤性は未確⽴と⾔えます。
- 肥満症治療における⾏動療法にはどんなものがありますか?
- 体重測定を習慣化させ、⾷事内容についての⾃⼰記録し、グラフ化体重⽇記をつけ、⽣活習慣や⾷⾏動を修正していく⽅法です。ストレスなどへの問題点への対処、過⾷を誘発する刺激の回避ができるように適正⾏動の実施につなげていく⽅法。「30回咀嚼法」⾷事の際に1度⼝に⼊れたものを30回咀嚼してから飲み込む⽅法があります。
注射の⽅法・サクセンダの保存・廃棄について
- サクセンダはどのように保存すればいいですか?
- 使⽤開始後は、室温(30℃以下)保存です。1ヶ⽉以内に使⽤することが前提です。⻑期保存は冷蔵庫(2〜8℃)で保管してください。ただし、凍らせてはいけません(フリーザーの中や、冷蔵庫内の冷⾵が直接当たるような場所には置かないでください)。
- サクセンダや針は、使⽤後燃えるゴミとして捨ててもいいですか?
- 使⽤済みのサクセンダは、燃えるゴミとして⾃治体のルールに従って廃棄してください。使⽤済みの針は、お⼿数ですが、ペットボトルなどの堅い容器に⼊れ蓋を閉めて、当院まで持参いただくか、郵送してください。
- 注射は体のどこに打つのでしょうか?
- お腹、太ももの外側、太もも前⾯の外側などです。当院では初診の⽅には看護師より詳しく説明しております。
- サクセンダは、筋⾁注射はいけないのでしょうか?
- いけません。筋⾁注射も、静脈内注射も禁⽌されています。
治療の流れについて
- パソコンが苦⼿なのですが、オンラインでしか診察できないのですか?
- クリニックにお越しいただき、直接対⾯して診療を⾏うこともできます。院内で処⽅しますので、その場でサクセンダ受け取ることができます。
- 診察をせずに注射だけ処⽅して貰えますか?
- 必ず診察が必要です。医師とオンラインまたは対面で診察を受けていただいた後、薬が処方されます。
- お会計の時カードは使えますか?
- オンライン診療・対⾯診療どちらもお会計はクレジットカード決済となります。
- 遠⽅なのですが、診察を受けるにはクリニックまで⾏かなくてはならないのですか?
- 基本的にオンライン診療をベースに診療体系を考えておりますので、どんな遠隔地の⽅に対してでも基本的に平等で⾼品質で、かつ責任ある医療サービスを提供したいと考えております。ですから、遠⽅の⽅に対しても、なおさら優れた医療サービスのご提供に⼿を抜くことのないよう⽇々、努⼒しておりますので、ご安⼼ください。
- 国内の承認医薬品ですか?
- クセンダは抗肥満薬として⽇本国では医薬品法上の承認を得ておりません。肥満症に対し、アメリカ⾷品医薬局(FDA)欧州医薬品庁(EMA)、韓国⾷品医薬品安全処(MFDS)の承認を取得しています。当該薬品の海外情報はこちらで確認できます。